名古屋市立大学薬学部教授のチームによるネズミの実験はもとより、外国での実験、そして北ロンドン大学脳栄養化学研究所の教授の実験などにより、DHAが頭の働きを良くするということが確実に証明されてきました。では、どうしてDHAが頭の働きを良くするのでしょうか。まず脳の中では、DHAがどのように存在し、どんなところにあるのかについて紹介していくことにします。DHAは、魚油の成分です。また、成熟哺乳動物(大人の人問など)の脳の脂質の10パーセントがDHAといわれています。脳の中のどこにあるかというと、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリンという長い名前のリン脂質にたくさんあります。これらの長い名前のリン脂質は、脳細胞の構造部、つまり、膜の中に組みこまれて細胞を形作るのに重要な役割を果たしています。これはどういうことかというと、脳細胞の外側の膜や内側にある細胞内小器官の膜を作ることによってはじめて、その細胞が立派な脳細胞になるのです。もしDHAが欠乏してくると、脳細胞の膜を作ることができなくなってしまうわけですから、細胞が死んでしまうのです。これだけでも、たいへんな事態なのですが、悪影響はそれだけではありません。脳の細胞は、他の臓器の細胞とちかって、情報伝達に重要な働きをする突起をのばしています。この突起を維持したり、新たにのばしたりするときに、リン脂質が必要となってくるのです。DHAが欠乏してしまうと、突起を維持できなくなります。それは何を意味しているかというと、ネットワークが壊れて情報伝達がスムしスにいかなくなってしまうということにほかなりません。DHAは、脳の機能を維持したりするのに必要不可欠だということです。
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